呼吸困難ないし呼吸時雑音の鑑別診断
呼吸時に狭窄音(雑音)を呈する高齢のメスうさぎのビデオ。原因は判明していません。
このうさぎはリラックスしているように見え(うさぎは眼を開けたまま寝ていることがしばしばあります)、鼻孔は閉じていることから、喉あるいは鼻腔の空気の流れを妨げる物理的閉塞(狭窄)がある可能性があります。一部の高齢動物で見られるように、軟口蓋がぺらぺらで弱い、あるいは過長しているのでしょうか?
慢性上部気道感染やほこりへのアレルギー、その他の要因によって鼻腔の変形が起きている可能性もあります。
Videos:
courtesy of Tal Saarony
細菌性疾患 |
パスツレラ症 |
スタフィロコッカス属菌感染症 |
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ボルデテラ属 |
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シュードモナス属 |
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クラミジア症 |
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マイコプラズマ属 |
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肺内アブセスの存在 |
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細菌性肺炎 |
真菌性疾患 |
マイコバクテリウム属 |
アスペルギルス属 |
寄生虫性 |
フィラリア症 ペット飼育うさぎ(Oryctolagus cuniculus domesticus)で見られた脊髄リンパ腫と肺動脈フィラリア寄生 Reed SD, Shaw S, Evans DE. J Vet Diagn
Invest. 2009 Mar;21(2):253-6. |
代謝性疾患 |
甲状腺機能低下症 |
代謝性アルカローシス(過度の吸気(過換気)によってアルカローシスが起こります) |
機械的要因 |
異物の吸引 例)牧草の破片 |
肺損傷あるいは外傷 |
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重度の肺出血 |
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脳幹を巻き込む腫瘍ないし血管奇形 |
呼吸狭窄音/いびき |
睡眠時あるいはリラックス時に呼吸を妨げるような閉塞物の存在により、気道構造物が振動していびきが生じます。 |
喉頭の狭窄があっても、通過する空気の量は変わらないため狭窄音が生じます。喉頭周囲組織が振動し、いびきの音を生じます。どちらの例においても、雑音は空気が振動することで生じています。 |
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軟口蓋の過長と肥厚 |
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軟口蓋の脆弱化。加齢に伴い、軟口蓋は脆弱でぺらぺらになり、睡眠時にいびきの音が大きくなることとして現れます。例えば犬や猫で、高齢動物が安静にしている際に、いびきの増大が見られます。 |
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鼻腔の変形 例)歯根に関連した合併症 |
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睡眠時無呼吸症候群 犬や猫といった他の動物種でも見られます。 |
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薬剤によるもの |
環境要因 |
周囲環境からのストレス 例)犬の吠え声、道路工事 |
感情面のストレス 例)病気の投影 |
中枢神経疾患 |
神経筋疾患 |
末梢神経障害 |
腫瘍性疾患 |
胸腔内腫瘍(例 胸腺腫) |
肺転移 |
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気管内腫瘍 |
心疾患 |
肺浮腫
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慢性心疾患
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うっ血性心不全
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自己免疫疾患、あるいは化学物質誘発性 |
アレルギー |
揮発したアンモニア |
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アナフィラキシー |
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毒素
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鎮静剤あるいは麻酔薬の過剰投与
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