症例報告
両眼病変と鼻の痂皮を呈したToffikの一例
Dr. Magdalena Stasiowska - Przychodnia
Weterynaryjna – Wrocław, Poland – tranlsated by Atsushi Fukuda,
DVM
ポーランド、ブロツラフ、獣医クリニック
警告: このページには一部の方に不快と思われる画像が含まれています。
未去勢オスうさぎ、5か月齢のToffikは幼い頃、市場で売られていました。これまでにワクチン接種を受けたことがありませんでした。眼球の内部に病変を見つけた飼主に連れられて動物病院を受診しましたが、Toffikは元気そうに振る舞っていました。. 身体検査上、体格は良好で、機敏であり、刺激に対しては正常な反応が見られました。外観から分かる異常としては、以下のものが挙げられました: 1) 鼻:鼻からは血清-化膿性の分泌物が出ていました。分泌物は乾燥し、大きくて硬い痂皮(矢印)を形成していましたが、簡単に除去することができました。飼主さんはそれを異常だとは思っていませんでした。なぜならうさぎが不快感を示したり、鼻をこすったりする様子が無かったためで、そのことがまた「鼻水」の一般的な症状とは異なるのが奇妙でした。
2) 眼:両側に病変があります。前眼房の膿性分泌物と、虹彩の充血および浮腫(異常な液体貯留)が見られ、水晶体破砕性ぶどう膜炎の所見と一致しています。この病変はエンセファリトゾーン・クニクリによる侵害か、細菌感染(ほとんどがパスツレラ属)によるものです。
私は鼻の痂皮を取り除いて、一部を細菌培養に提出しました。培養結果は、真菌は分離されず、β溶血性ストレプトコッカスと、エンテロバクター属菌が多量に検出されました。両細菌とも、エンロフロキサシンにのみ、感受性がありました。Toffikに対して、エンロフロキサシンを経口で、1日2回、1週間、続く1週間は1日1回で処方しました。さらに飼主さんに対して、1日3ー4回の点眼をお願いし、1週間はNSAID、続く1週間はステロイドを使うよう処方しました。 治療後、眼病変は減少しましたが、完全には治癒しませんでした。鼻漏は消えていました。うさぎの調子は非常に良く、飼主さんはそれ以上の検査を望みませんでした。写真は初診時の様子と、治療開始から2週間後の様子をお示ししています。
|
e-mail: info@medirabbit.com